こんにちは、ちゃいこです。
昨日は退勤したその足で『シェイプオブウォーター』を観てきました。レイトショー万歳!
『パシフィックリム』のデルトロ監督が満を持して発表した”恋愛映画”です。アカデミー賞で4部門受賞を果たしたことで話題になっていますね。興味持っている方も多いのではないかと思います。
公式トレーラーは英語版の方が圧倒的に素晴らしいのでこちらを。
公式サイト⇒映画『シェイプ・オブ・ウォーター』大ヒット上映中!
今回はそんな『シェイプ・オブ・ウォーター』を観たいけど迷っている…という方のための記事を書こうと思います。珍しく有意義~!
私と洋画
その前に、私の洋画観だけ簡単にまとめておこうと思います。「こいつとは価値観あわねぇ!」って方は遠慮なくべつの記事に飛んでいただいて構いません。
はっきり言ってしまうと、私は洋画があまり好きではありません。なんか、すぐいかついロボットとか大爆発とか起きているイメージで興味湧かなかったんですよね。タイタニックやオーシャンズ13もかなり最近になって観ましたし、スター・ウォーズとかロードオブザリングあたりは観たことありません。
そんな私が「洋画っておもしろくない?」と気づいたきっかけは、大学生になってから観たスピルバーグ監督『A.I.』とアン・ハサウェイ主演の『レ・ミゼラブル』『マイ・インターン』の3本の映画です。特に『A.I.』は自分でもドン引きするくらい泣き、嗚咽を漏らしながら観ました。
そんなこんなで、いまだに『トランスフォーマー』のようなロボット大戦ものは苦手意識がありますが(観たら手のひら返すかもしれませんが)、ヒューマンドラマ系をメインに洋画の開拓を少しずつ進めています。
『シェイプ・オブ・ウォーター』ってこんな話
簡単にいうと、声を失った中年女性・イライザと 、南米から連れてこられたバケモノが恋に落ちる物語です。2人とも決して美しい・明るいとは言えず、通常のおとぎ話からは大きくかけ離れたキャラクター像となっています。そんな2人が言葉以外の手段―視線、手話、音楽で愛を深めていきます。
1962年、アメリカ。政府の極秘研究所に勤めるイライザは、
秘かに運び込まれた不思議な生きものを見てしまう。アマゾンの奥地で神のように崇められていたという“彼”の奇妙だが、
どこか魅惑的な姿に心を奪われたイライザは、周囲の目を盗んで会いに行くようになる。子供の頃のトラウマで声が出せないイライザだったが、
“彼”とのコミュニケーションに言葉は必要なかった。音楽とダンスに手話、そして熱い眼差しで二人の心が通い始めた時、
イライザは“彼”が間もなく国家の威信をかけた実験の犠牲になると知る─。(公式ホームページより)
ストーリーもさることながら、何より青を基調とした画面の美しさと、50年代アメリカの音楽で作られた映像がまるで絵本みたいで…。まさにおとぎ話でした。
これについては映画館で観ることをオススメしたいです。画面いっぱいの青の美しさ、見たくないですか。
・・・とここまで聞くとちょっと変わったラブロマンスという感じなのですが、この作品は結構ビターでヘビーです。年齢制限かけられているだけあって、エロ・グロといった要素が割と入っています。開始数分でオナニーシーンとか入りますし。
1962年と言えば、ソ連とアメリカの戦いが激化していく時代です。ということは、まぁよくある流れとして、暴力シーンとかね、繋がりやすいですよね。腹に穴あくくらいならいいですが、ほっぺに穴開いたり生き物の首もがれたりするので、グロ耐性がまったく無い人が映画館で見るのはあまりオススメできないです。
もっと詳しい紹介(ネタバレなし)としてはこちらの記事がおすすめです。
これは個人的なポイントなのですが、悪役がめっちゃくちゃうまいです。もちろん全俳優・女優本当に素晴らしい演技です。が、悪役の方の鬼気迫る表情と狂気が段違いで半端なかったです。昨晩は普通に夢見が悪くなりまして、私の眠りが浅くなるほどでした。なんか名前を出してしまうと面白くないのでどの俳優さんかは一応伏せますが、マジで恐ろしい役でした。
あとおまけ要素としては、舞台が舞台なので古き良きアメリカの片鱗もそこかしこに散りばめられています。バービー人形みたいな奥様や、みんな大好きキャデレックも登場しますよ。60年代アメリカ好きにはグッとくるかもしれません。
デルトロ監督の恋愛観
ストーリーとしてはそんなに珍しいものではない、というかよくあるおとぎ話と同じなのですが、やはり型にはまらない形の主人公たちであったからこそ作品の味わい深さが増していました。これについては、デルトロ監督ご自身のインタビューでの答えが全てを表していると思います。
例えば『美女と野獣』の中で、ヒロインは純粋で無邪気な存在でなければならない。一方「野獣」は野蛮な存在として描かれ、最後は「王子様」に変わらないといけない。野獣が"変身"して物語がハッピーエンドになることがよしとされています。
今作の主人公・イライザは、囚われの身である彼(クリーチャー)を解放することで、自分自身の心も解き放ちます。お互いを自由にし合う、これが愛なんですね。
<中略>
ポイントは、物語を通じて彼は一切、変わっていないということです。「美女と野獣」では、野獣は、王子様に変わらなければいけなかった。でもそれって本当の愛でしょうか。この作品では彼も変わらないし、彼女も変わりません。
自分とは本来どんな存在であったのか、それを気づかせてくれる相手こそが、真の愛する者だという仕立てにしています。
私は『美女と野獣』は大大大好きですが、確かに初めて『美女と野獣』を観たとき「なんでイケメン王子様になるんだよ」と不満に思いました。その気持ちを全部代弁され、完全に「わかる・・・」としか言えないお言葉です。
結論
<映画館で観ることをオススメしない人>
・グロが全くダメな人
・キャラクターに美しさを求めたい人
・華やかなラブロマンスを観たい人
<映画館で観ることをオススメする人>
・それ以外
また、観にいくなら雨の日がおすすめです。映画館から出た後の余韻が増しますので。
それでは!